梅干し作りに必要な道具とレシピ、梅干し作りのコツを紹介します。




梅干し作りのレシピを紹介。
はじめまして。
梅干しを作って2021年で6年目に突入する「ご当地、ええじゃないか。」を運営しているもっちゃんです。
日本の伝統でもある梅干し作りを広めるために日々研究しております。
これまで5年間で経験したものをまとめてみましたので、参考にしていただければと思います。
まず、南高梅を使った梅干し作りに必要なレシピを紹介します。
作り方の詳細やコツなどは作り方で紹介します。
作り方の前に!梅干しを作るシーズンは6月中旬~7月下旬までです!
この時期しか南高梅などは出回っていませんので、秋に作ろうと思い立っても作ることはできませんので、ご準備は計画的に。
梅干しを作るシーズンなんて覚えていられないという方は、雨の降る季節「梅雨」が来たら梅干しを作る季節だと覚えましょう
字のごとく「梅」を作り始めるころに降る雨であり、梅干しを干す時期に終わる雨なので覚えやすいです。
今回は家庭でも作りやすい3kgのレシピを紹介します。
3kgだと市販の果実酒用5リットル瓶にちょうど入る大きさです。
重石がギリギリ入らないですが、1~2日ですぐにしぼんで入ります。
ではレシピを見てみましょう。
梅干し作りに必要な食材
- 完熟梅 3kg
-
あら塩(梅の15%) 450g
※なぜ15%にしたのかは後ほどご説明します。 - 赤紫蘇 2~4束ほど(500g)
-
赤紫蘇のアク抜き用のあら塩(赤紫蘇の20%) 100g
※ほかのサイトだともっと多く書いてありますがそんなにいらない - ホワイトリカー(消毒用) 適量(300~500mlくらいあれば十分)
- ザラメ 適量(一番最後に使う)
梅干し作りに必要な道具
- 大きめのボウル
- 大きめのザル
-
ホワイトリカー用の霧吹き
※容器がプラスチックは長期間放置すると溶けるのでやめた方が良いです
※頭だけ取り換えられるスプレーで、容器は「ビタミンレモン」の瓶を使ってます -
タオル
※あまり繊維の出ないのがいいです -
瓶
※初めての方は、カビたらすぐに分かるので中が見える透明な瓶が良いと思います
-
干す時の平たいザル
※梅がザル貼り付くので直接乗せるは避けた方が良いです
※サラサラしたクッキングシートを敷いて適度に転がすといいです
※2日目くらいになるとくっつかなくなってきます
梅はどこで買うの?どこのがいいの?

スーパーのは買わない方が良い!
梅雨の季節が近づくと一般的なスーパーでも箱に入った梅酒用の青梅や梅干し用の南高梅の完熟梅が売り出されますが、個人的にはあまりお勧めしません。
何度かスーパーで購入して作ったのですが、お勧めしない点を紹介します。
完熟がマチマチ
スーパーで売っているものは、中が見られるように箱を開いて陳列している場合が多く、親切に横にも穴が開いていることもあります。
箱を閉めておくと中身が分からないというのもありますが、完熟が足りない時にする「追」(おいじゅく)のように箱を閉めて数日放置すると熟成は進みます。
箱が空いていることで場所によって熟成の進み具合がバラバラになります。
素人目には分からない熟成度の違いが梅干しのでき上がりにも影響し、皮が固い梅干しになってしまうこともあります。
買うなら通販!
通販で購入すると農家からの直送になることが多いです。
なぜかというと、完熟梅は熟すタイミングがとてもシビアなので、素人がきれいに熟成させるのは難しい。
通販だと手元に届いた時にちょうど完熟状態になるように配送してくれるところが多く、熟成度も同じようなものをそろえてくれるので、箱を開けた時点で全部が同じように熟しています。
熟成はプロの業者さんにお任せするのが一番!
もっちゃんはどこで買ってるの?

いろんなところのを試した結果…
「朝ごはん本舗」さんで扱っている完熟の南高梅が今のところは良かったです。
・皮が柔らかい
・皮が薄い
・果肉が多い
南高梅らしさがとても際立っている梅でした。
ただ、デメリットもあります…

痛みが激しい
サイトの説明文にもありますが「自然熟成」をさせるために、ぎりぎりまで木に実らせて、自然に熟して落ちてきたのを収穫しているので、多少痛みが多い。
軽い傷などは梅干しにしてしまえば誰も気づかない程度なのですが、私が一番気になってしまったのが…
「虫」
大の虫嫌いの私なので、果肉の中に潜り込んでいる虫(芋虫系)がいるのはちょっと厳しい…
熟成も素晴らしく、身も大きくて柔らかく、傷もそんなに気にならないのですが、この虫だけはどうにかならないのか…
他のところで購入したものにも虫は入っていることはあったのですが、痛んでいると見つけるのも大変。
なので今年は、別のところで購入して、梅の違いを研究してみたいと思います。虫の駆除方法も何かあれば探してみます。
ちなみに虫は小さな穴の中にいるので、中にいるかどうかは割ってみないと分かりません。
痛んでいるのを除くと半分くらいになってしまうので、あきらめて梅干しにいています。
梅酢が上がってきたころにコロッと出てくることもあります。
ま、梅しか食べてないからいっか…

サイズがバラバラ
サイズは2L~4Lと二倍くらいの大きさの梅干しも入っています。
全体でしては大きめが多く、小さいのはあまりありません。
でき上がる梅干しもどっしりとした大きなものになり、一口で食べるには少し多いかと思うくらい大きい梅干しになります。
こちらはデメリットでもあり、メリットでもある特徴です。
皮が柔らかいので箸で切れるので、大きい梅干しはちぎって食べるのがいいと思います。
さっそく作ってみよう!


梅干し作りの基本の流れ
手順を細かく教える前にざっくりとした流れを説明します。
- 01 完熟梅を洗う
- 02 水分をふき取る
- 03 ホワイトリカーで殺菌
- 04 塩をまぶして瓶または壺などに入れる
- 05 赤紫蘇のアク抜きをする
- 06 アク抜きした赤紫蘇を漬けていた梅に加える
- 07 梅雨明けまで約1カ月漬ける
- 08 土用干し(屋外で2~3日ほど干す)
- 09 瓶・壺に戻す(戻さない方法もあり)
- 10 半年ほど漬けて完成
基本的な流れは以上です。
他のサイトでも大体同じような説明をしています。
当サイトでは、5年間作ってきた中で気づいたことなどを加えて説明していきます。
(スポンサーも何もないので好き勝手書かせていただきます)
それでは、細かい手順を見ていきましょう!
完熟梅を洗う


水で優しく洗う
完熟梅の場合は、アク抜きなどは必要なく、水で洗ってすぐに塩で漬けていきます。
身に傷がつかないように優しく洗います。
身が傷つくとカビの原因にもなり、見た目も悪くなります。
水分と汚れをふき取る
ここで要チェックポイント!
「水は厳禁」
水を軽くふき取るのではなく、一切水がついていないくらいまで水をふき取り、ここの段階から水を排除します。
水が入ると高い確率でカビますので、ここは慎重に水を突きとります。
ザルやボウルに付いた水もダメなので、道具からも水をふき取ります。
この段階で痛んでいるのがあれば除外していきます。
完熟梅の香りはすごくフルーティーで美味しそうですが、食べてビックリ…酸っぱすぎて食べることはできません。
ホワイトリカーで消毒・殺菌して塩を入れる


全体に行き渡るようにホワイトリカーをかける
ボウルに直接ホワイトリカーを入れるとどうしてもむらが出てしまうので、スプレーなどで全体に吹きかけると全体を殺菌することができます。
手や道具の殺菌にも使いやすいのでお勧めです。
塩を加える
ここで要チェックポイント!
「塩分濃度は15%切ると難しくなる」
計量器に乗っている塩の写真を見てもらうと、5kgの梅に対して500g、塩分濃度10%に挑戦しました。
ギリギリ10%を狙ったのですが、残念ながら梅酢が上がってくる途中でうっすらとカビが出てきました。
緊急対処として、プラスで5%分の塩を追加して何とかカビは抑え込みました。
初めての方は塩分濃度20%でやると失敗はしないと思います。
今までの経験上、15%が減塩でもあり失敗もしずらいのでちょうどいい塩分濃度だと思います。
塩を加えたら優しくかき混ぜます。
次に瓶・壺に入れるのですが、水分がないので塩がサラサラして梅になじまないことがあります。
そんな時はホワイトリカーを少し吹きかけるとなじむようになります。
塩分濃度15%もそこそこ減塩になるので、塩の量がとても少ないです。
瓶に入れる時に梅と塩が交互になるようにしたいのですが、塩が全然足りないので、ホワイトリカーで湿った塩を軽く梅に塗り付けると、次の梅酢が上がりやすくなります。
あまり塗り付けるのは良くないそうです…
瓶に入れた後もホワイトリカーで殺菌
カビが心配な方は多めに瓶の中にもホワイトリカーを入れるといいです。
ただ、入れすぎると梅干しの味が変わってしまうのでほどほどに…
瓶に入れて梅酢が上がるのを待つ


瓶に詰めて梅酢が上がるまでは2~3日
塩漬けにした梅干しは、2~3日ほどで梅酢がどんどん上がってきます。
梅酢が全然出てこないという方は、重石が足りない可能性があるので重石を追加しましょう。
写真で使用している瓶かめ用の重石は1kgほどですが、十分梅酢は上がります。
ペットボトルや袋に水を入れて重石にする方もいますが、ビニールは穴が開いたり、水が漏れることが多く、せっかくの梅が台無しになってしまうので、できるだけちゃんとして重石を使いましょう。
せめてペットボトルかな。
写真の半日後のと比べると、あっという間に梅はぺちゃんこになっていきます。
塩分濃度10%でもこのくらいのスピードで梅酢は上がるので、全然上がらないという方は定期的に瓶を少し回して梅に塩が行くようにしてみてください。
梅酢が上がるのを待っている間に赤紫蘇のアク抜き




赤紫蘇も通販をお勧めします
梅干しを漬けるシーズンになるとスーパーにも並ぶ赤紫蘇ですが、スーパーにを使ったところ、今のところ3回中2回が良い色が出なかった…
赤紫蘇も鮮度が重要のようで、通販で買った産地直送の赤紫蘇で作ったところきれいな赤になったので、いつ収穫したか分からない売れ残りっぽいスーパーのはあまりお勧めしません。
ちなみに、赤紫蘇の液状のも売っていますが、それは最初はいい色なのですが、漬け込むとあっという間に色が消えてしまったので、昔ながらの赤紫蘇を使用した方がよさそうです。
私が使っている赤紫蘇は、毎年「朝ごはん本舗」さんで購入しています。
赤紫蘇は大きくて新鮮なのが届きます。
こちらには虫はあまりいないです。
赤紫蘇の量
梅3kgに対して2束(500g)で十分色がつくので大丈夫です。
1kgになると梅が赤紫蘇に埋まってしまって、ちょっと扱いにくくなります。
赤紫蘇が好きな方はそのまま食べてもいいですが、基本的に色を着け終わったら役割を終える赤紫蘇…
そんな赤紫蘇は、土用干しの時に瓶に戻さずにそのままカラッカラになるまで干します。
この時に少し広げてから干すと後で加工しやすいです。
丸まったまま干してしまうと石のように固い塊になり、どうしようもなくなります。
ミキサーの刃でギリギリ砕けましたが、壊れそうになりました。
干し終わったらミキサーで砕くと「ゆかり」になります。
ご飯にかけて食べると美味しいです。
赤紫蘇も洗います
赤紫蘇は葉っぱだけを使うので、茎から手でもぎ取ります。
そして水で洗いますが…
赤紫蘇も水厳禁!
洗い終わったらザルなどにあけて干して乾かすといいです。
想像以上にすごい量になるので、大きめのざるがないと少し大変です。
我が家は扇風機の前で一晩干します。
アク抜きは2回
用意するのは、赤紫蘇とあら塩です。
塩は赤紫蘇の重さに対して17~18%…
算しにくいのでざっくり20%とすると、2束500gに対して100gです。
正確に17~18%だと、85~90gです。
これを半分に分けて、2回アク抜きをします。
まず50gの塩をドバっとかけてモミモミします。
最初は何も変化がなく不安になりますが、徐々にしなっとしてきて突然ぐちゃっとなりますので、そんなに力を入れずにモミモミすれば大丈夫です。
クチャっとして、見た目が半分以下まで小さくなってきて、手でぎゅっと絞れるくらいになったら絞れるまで絞って1回目のアク抜きは終わりです。
1回目と同じように残り半分の塩を入れて揉みます。
1回目と違い、これ以上揉めないだろうと思うのですが、力を入れて揉むとさらに悪が出てきます。
ほぼ10分の1くらいの大きさにまでなったら、また絞れるだけ絞ってアク抜きは終わりです。
出てきたアクはきれいな紫色をしていますが、服に付くと後でどす黒い茶色になるので気をつけましょう。
赤紫蘇を瓶に入れよう


梅酢が上がりきっていなくても赤紫蘇を入れる
赤紫蘇を瓶に入れる前にひと作業あります。
このまま赤紫蘇を入れるのもいいのですが、もっときれいに色が出るように梅酢で揉んでから入れます。
赤紫蘇は実は今のままだとただの紫…柴漬けに近い色合いです。
梅酢の強酸性で揉むと化学反応で鮮やかな朱色になります。
揉んだ赤紫蘇を上に乗せてまた重石をします。
全然色が浸透しないので混ぜた方が良いかな~と思いますが、数日で真っ赤になるので静かに見守りましょう。
梅酢も上がり、赤紫蘇も入れたらあとは梅雨明けまでこのまま漬け込みます。
毎日様子を見て、カビていないかのチェックはします。
カビてきた予兆としては、梅酢の表面にうっすらと膜のようなものが出てきたら危険です。
ホワイトリカーを吹きかけても無くならないようだったらカビの可能性が高いので、少し塩を足すなどの対処をした方が良いです。
塩分濃度15%だとほぼカビることは無いので、安心して待ちましょう。
土用干しまで約1カ月間放置
できるだけ涼しくて暗いところに置くといいです。
現代の住宅事情を考えるとあまり涼しいところというのが無いので困りますが、台所やリビングなど、エアコンで涼しいところもいいですが、子供が倒したりすると大変なので、玄関などの少しひんやりしているようなところで大丈夫だと思います。
玄関でも倒すときは倒すと思いますが…
直射日光が入るようなところは避けた方が良いです。
気持ち色が悪くなります。
最終工程の「土用干し」(天日干し)


梅雨が明けたらいよいよ土用干し
梅雨が明けてギラギラの太陽の季節がやってきたら天日で干す「土用干し」の作業です。
昔は梅雨明けの1週間くらいは晴天が続いたのですが、異常気象で梅雨明け宣言されても悪天候がだらだらと続くことが多く、安心して屋外に干すことができません。
干している時も雨に濡れるとカビの原因になるので、絶対に雨に当てないようにしましょう。
昼間は外で干し、夜は夜露が下りることもあるので、室内に入れるのが良いです。
この段階まで来ると香りは完全に梅干しそのものです。
香りが強いので家の中に入れると家族から白い目で見られますが、これは風物詩だと思って我慢してもらいましょう。
干すのは長くても3~4日程度なので、この時期だけは梅干しの香りを楽しいんでもらいたいものです。
土日だとずっと見ていられるのですが、社会人の方はどうしても平日は見られないので、平日の昼間は室内で干すことをお勧めします。
雨も怖いですが、干しすぎも要注意です。
干しすぎてカラカラの梅干しになってしまうと、もう戻すことはできません…
干しすぎた梅干しは、皮のところに塩が固まりジャリジャリした口当たりの悪い梅干しになってしまします。
見極めるのが難しいですが、干し過ぎないタイミングで梅酢に戻しましょう。
梅干しを干している時に梅酢も一緒に干しましょう。
瓶に入れたまま天日に当てます。
干す時間でお好みの梅干しになる
干す期間によって梅干しの口当たりが変わります。
ねっとりとしたのが好きな方は少し長めに干すと水分の少ない食べ応えのある固めの梅干しになります。
逆にトロッとしたジューシーな梅干しが好きな方は少し早めに取り込むと水分多めの梅干しになります。
また、干した後に梅酢に戻すか戻さないかでも口当たりが変化します。
梅酢に戻さない場合は、どんどん乾燥が進みますが、容器などに入れておけばカラカラにはなりません。
水分が減った分味が凝縮された梅干しになります。
その代わりジューシーさは減ってしまいます。
私は、ジューシーな梅干しが好きなので干した後は梅酢に戻します。
梅酢に戻すことで、赤色に染まりきらなかった梅干しも真っ赤になり、ジューシーさを保ったまま何年も保存できます。
いよいよ完成


干した後は半年ほど寝かせて完成
瓶に戻すときにお好みでザラメを入れると、味がマイルドになります。
完成は半年後なのですが、手作りならではの楽しみ方ができます。
できたての梅干しを楽しもう!
市販の梅干しでは絶対に味わえない、梅のフルーティーさが少し残った新鮮な梅干しは格別です。
ジューシーな梅干しは、焼酎で割ると程よくほどけてとてもおいしいです。
市販の梅干しは固すぎたりと崩すのが難しいですが、果肉の多い梅干しにするときれいなピンク色の焼酎の梅割りができます。
私は、冬の寒い日には梅昆布茶に梅干しを一個入れて崩しながら飲んでいます。
大きい梅干しだと、お湯をつぎ足しながら3杯は飲めます。
そのほかにもアレンジメニューを色々試して、酒のつまみを作っています。
保存方法
これまでの5年分の梅干しは常温で保存しています。
特にカビたりはしていませんが、梅を取り出すときなどは手や道具は殺菌しています。

一番おいしい食べ方は…
やっぱり一番は、炊き立ての白米に梅干し!
これを食べるたびに梅干しを考えた日本のご先祖様に感謝をしたくなります。
日本人でよかった~と思う瞬間のひとつです。
赤紫蘇はゆかりにしましょう
粉末にできるハンドミキサーなどで細かく砕いて少し塩を入れると、おいしいゆかりになります。
赤紫蘇はそのまま食べるとしょっぱすぎるので、あまり使い道は無いですが、ゆかりにするとお弁当やお茶漬けなど普段使い出来るので便利です。
これまでの梅干し作りは動画で残してあります。

動画で見た方が分かりやすいかも!
文章だと分かりにくいのも動画だと細かい動きなども分かると思うので、梅干し作りをもっと知りたい方はぜひ動画をご覧ください。
「ご当地、ええじゃないか。」Youtubeチャンネルはこちら>
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